この春、中学校へ通うようになる孫が体調を崩している。
幼い時から行事があると緊張する癖があり、何度が熱を出し欠席していた。
医者に診てもらっても良くならない。最初は放っておいたが、2月になり給食が食べられないと言い、学校も何日か休むようになった。
弟と違い真面目な性格なので、「いじめ」かと思い先生に相談したが思い当たらない。
そうこうしていると、卒業式を迎えるにあたり様々な準備が始まった。
近頃の小学生と言えども、卒業式はそれなりの身なりで出席すると言う。
母親はフォーマルに近いジャケットを買い予行演習に着せて出かけさせた。
それを聞いて私はふっと思いつき提案してみた。
「ぼくが二十歳すぎに着ていた三つ揃えの黒のフォーマルスーツ、
卒業式に着てみないか?」
私と並んでも変わらない背丈に成長しているので、もしかしてと思い着せてみる。
すると、ぴったり、ぴったりなのである。
本人も「着ていく」と言うので卒業式当日は「祖父のスーツ」を着用し出席した。
あいにく私は出張が重なり晴れ姿を見ることはできなかったが、写真をメール添付で送って貰った。
良く似合っている。 もはや少年ではないと実感できる。
そのことから彼の体調を崩している原因が判りかけてきた。
振り返ると私の時代は高校進学がそうであったが、今彼らは中学からそれを経験するのだ。
仲の良い友達何人かが有名中学へ進学していき、自分ひとり取り残された感じをもったのかも知れない。
今まで一緒に過ごしてきた友だちが、ある時から思い思いの道に分かれていくのである。
彼も選んでいかなければならない。
急に塾の学習に熱が入り始めたのも、「やはり・・・」なのである。
旧いスーツがファイアードラゴンを少しでも勇気づけたのならば、ジッジにしても望外の喜びである。
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