二人の悪童への朗読(読み聞かせ)は、ネタ探しに時間をかけなければならないのです。僕には、なによりも楽しい時なのですが。
昨秋、神戸の書店で絵本コーナーをのぞいていると、5冊の全集風の本に出会いました。
「あまんきみこセレクション」 春、夏、秋、冬、ある日ある時。
僕はこの作者をこの時まで本当に知らなかったのです。
絵本コーナーの本棚に、しっかりとした装丁の本がならんでおり、中を拾い読みすると、僕の鈍ってきている感性が細かく震えました。
一冊の絵本は僕の懐具合と相談して決めることが多くなり、思案しているところなのです。この作品は一つのお話しが、読み聞かせに丁度よい量であり、なによりも一話の単価が気に入りました。
鈍ってきた感性と僕の懐具合が、「あまんきみこワンダーワールド」への扉を押し開くことになりました。
そして、この夏、とうとう作者の講演会に行き、サインをいただき、お話しをするまでに至るのです。
作品の中の異次元世界へは、子供たちだけでなく空色のタクシー運転手のような大人も普通に入っていきます。そこは、きつね、うさぎ、たぬきなど、昔どこにでもいた日本の動物たちが、いきいきと暮らしています。
作者はぴかぴか光りがあたるところではなく、そうでない陰の部分を、より大切に描くのです。
誰の日常生活にもある、はっと感性が震えるシーンをていねいに綴っていきます。
色を使った描写はお洒落で、なんとも素晴らしいのです。動きのある色の描写が秀逸です。後日詳しく述べていきたいと考えています。
幼い頃のじぶんに出逢う大人になった自分。
大人になったじぶんに出逢う幼い頃の自分。
幼い子供たちだけに見える世界、
かつて誰もが持っていた心の中の素晴らしい不思議な世界。
それを「あまんきみこ」は丁寧に時間をかけてゆっくり語りかけてくるのです。
続く・・・。
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