2012年1月12日木曜日

山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば

天井「双龍図」 建仁寺開創800年を記念
東大寺(奈良市)本坊の40面の襖(ふすま)絵などで知られる日本画家の小泉淳作(こいずみ・じゅんさく)氏が9日横浜市内の病院で死去した。87歳だった。
 2000年に建長寺、01年には京都・建仁寺に竜の天井画を描き、10年、東大寺に桜と蓮(はす)の襖絵を奉納した。 11年8月、日本経済新聞に「私の履歴書」を連載した。(2012/1/9 21:22 日経WEBより)



「あの絵は自分のものじゃない。自分を無にして描いている仕事だから自分のサインを入れない」
「1000年先の人達に、名もなき人が無心の境地で描き上げた絵だと見てほしい」



蕾から枯れていく姿まで、ありとあらゆる蓮の姿を襖16面、長さ20mにもなる大作に仕上げた「蓮池」の襖絵
私の心をとらえたのは「 蕪椿図 」です。
重厚な存在感をたたえる蕪(かぶ)はリアリティにも増して、生命の力強さを語りかけてきます。そして傍に寄り添う椿が優しく囁いているようです。構図の素晴らしさだけでなく、日本画に「洋」を積み重ねたように思われるのです。
独自の生命観を描いて一人独自の画境を切り開いてきた「孤高の画家」の根源がここにあります。

 蕪椿図 

百人一首
山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば
源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん) 


0 件のコメント: