2015年1月13日火曜日

人が伝えていくこと

年明けの10日に街区のイベントで「新春招福餅つき大会」を催しました。
ネットで道具一般はレンタル会社に依頼することが出来ます。
もち米等もWEBショップで購入します。
もち米の洗い方、蒸し、つき方、丸め方、食べ方まで動画で見て知ることができます。
しかし・・・
いざ始めると誰も手を付けません。生き生きと手を付けるのは経験者である年老いた人たちなのです。

幼いころの記憶に鮮明に残っている年中行事の一つとして、毎年12月30日に親戚中が我が家に集まって行う「餅つき」があります。
あの顔、この顔、あの杵とり、あのつき手など次々とシーンとして蘇ります。

数十人が夜の明けないうちから、薪で火を焚き、大きな釜で湯を沸かします。
蒸篭(せいろ)を何段も重ねて蒸し、湯気のあがり加減で蒸しを確かめて石臼に移します。
そして、杵で餅つきが始まります。
みんなで出来上がった餅を食べる喜びはひとしおです。
その日の大人たちの振る舞いを見て、「早く大きくなってあんな風に恰好良くやりたい」と思ったものです。
また、あの蒸しあがる匂い、何とも幸せな風景です。
この匂いを嗅いで「幸せ」感じるのはアジアに住む民族の共通の思いのようです。

餅つきに関する多くの情報を得ることはネットで可能です。でも、その時を一緒に過ごした人たちの風景は、そこにはありません。
周りの誰かが登場する「餅つき」の情報を記憶に保存できないのです。

杵を高く上げて腰の入った餅をつく自分の姿をビデオでみて、改めて「恰好いい!」と思った次第であります。



0 件のコメント: